わるいところを責めない

その人の短所だとか、目につくこととか、悪いところを責めないことだ。人の短所なんて、たかだか一緒に働いているだけの人間が変えることなどできない。おこがましいことだ。しかし誰でも、いいな、と思えるところを持っている。そのいいな、というところを誉めて精一杯伸ばすことはできる。人はいいところを誉めると不思議と、その誉められたことを一生懸命に、しかも何度も何度もやる。そうすると、いいところが益々伸びていく。いいところが伸びて自信がつくと、さらに不思議なことが起こる。今まで目についたいやなところが消えて目立たなくなるのだ。その人にとって、いいところと嫌なところは表と裏の関係にあるからだ。

少しずつ、人は変わる。

人はすぐには変わらない。だが、少しずつ、すこーしずつだけれども人は変わる。笑えない人が笑えるようになる。あいさつできない人があいさつするようになる。遅刻する人が時間を守るようになる。自分中心の人が周りに心をくばるようになる。そういったことはすぐには変わらないが、仕事を覚えて専門性が身に付いて顧客の方から喜ばれて自信がつき、あるときは精一杯、あるときは楽をしながらキャリアを積んでいくと、ふとできなかったことができるようになる。いつの間にか人が変わる。そうなるまで気長に愛情をかけて待つ。それが人を育てるということだ。

プロは突き放す。

プロは顧客を支え続ける。当たり前のことだ。だが、支えに支え続けても、その支えがもたれかかりになってしまったら、その時は突き放さなくてはならない。不安や辛さに耐えかねてもたれかかりたくなる。それは誰にでもあることだ。しかし、信頼がもたれかかりになると顧客にとって、それは現実逃避になってしまう。たとえ、恨まれても現実逃避から顧客の目を覚まさせねばならない。それが本当のサービスだ。

安定なんてない。

安定して仕事があって、安定して収入があって、安定して休みがあって、なんていう安定なんてないです。いつも、誠実に、精一杯のことを、時流を考えながら、適度に改良してやると、結果的にうまく回る。あくまでも結果的なものです。決して永遠の安定なんてないです。

節度を守る

いけいけと欲張ったらだめだ。少しの間立ち止まること。足るを知ること。欲張ってはいけない。欲張ると、実力以上に顧客をとって、最終的にはスタッフや先生方のクオリティーが落ちてしまう。他にないから頼むけれど、でも本当は不満という状態をつくってしまう。その報いは二、三年後には確実に現れる。うまくいっているときほど抑制していくことも長期的には大切だ。

必ず答えがある

たとえどんなに大変そうでも、問題がありそうでも手がかりがあるものだ。話を聞いて、しばらくの間時間を過ごせばなんらかの躓きの原因が見えてくるものだ。その躓きの原因を傷つかないように認めさせてあげて、前向きな行動を共に歩んであげる。そうやって問題を解決する。必ず答えはある。

大変な方をえらぶ

楽な方と、辛い方とどちらを選ぶか迷ったら、悩んで悩んで結局は大変な方、辛い方を選ぶ。長い目で見るとだいたい辛い方を選んだ時のほうが良い結果になる。なぜだかはわからないが。

休み

二タームが終わった。今週、君はよくがんばった。よくついてくるなあ。山は越えることができた。全範囲が終わるのももうすぐだ。そうなると、疲れていてもまあ、頑張れるというものだ。

プロは逃げない。

プロは逃げない。どんなに辛くとも逃げない。どんなに形勢が不利でも逃げない。可能性がほんのわずかでもあるかぎり逃げない。その人のそばにいて、たった一人でも逃げない人がいればその人は勇気を振り絞って立ち向かい続ける。その人が自分の力で戦える日まで支え続ける。そうやって勢いをつけて逆転させる日をじっと待つのだ。

プロはこわい。

プロはこわい。やさしいのだけれど、怖くなくてはならない。しかし、それは怒鳴ったりわめいたりする怖さではない。何かこの人はあるな、すごいなというこわさのことだ。けんかが強いということではない。本当の怖さとは誠実さにある。誠実に、正直に、迷ったら辛い方を選ぶということだ。そこに本当の説得力が生じる。